ひとくち伝言 平成18年5月

「地蔵買うた」という言葉があります。一体なんの事でしょう。
 
 実はこれ、仏法の守護者、四天王の覚え方なんです。
 
   持国天(東)
   増長天(南)
   広目天(西)
   多聞天(北)
 
 その頭の文字を取って「持増広多」→「地蔵買うた」と覚えるといいですよ、という語呂合わせです。…お地蔵さんはあまり関係ありませんね。
 
 古くは頼光四天王や義経四天王、最近ではフィギュアスケートの銀盤四天王や韓国スターの韓流四天王というように、日本では昔から四人揃うと四天王と呼ばれる事が多いようですが、はてさて本家の四天王はどんなだったかな?ということで、少し調べてみたわけです。
 
 持国天のお名前の由来は「国土を支えるもの」だそうです。実は観音経に出てくる乾闥婆の王様でもあります。兜を被り、右手に宝珠(栗のような形をした宝の珠)、左手に剣を持つお姿が多いようです。
 
 増長天の由来は「発芽し始めた穀物、大きく育つ」で、五穀豊穣を司ります。右手を上げ、戟や金剛杵を持っている事が多いようです。左手は、剣や戟を握ったり、腰に手を当てたりしています。兜は被っていません。
 
 広目天は「異なった目を持つ。千里眼を持つ」という由来があります。また、「広く多い」という意味も含むために広目天と訳されるそうです。兜を被り、三叉戟や索を持つお姿か、筆と巻物を持っているお姿で表されます。きっと世の中を広く見て、それを漏らさず記録するのでしょう。
 
 多聞天のインドでのお名前、「ヴァイシュラヴァナ」は「広く聞く」という意味から来たお名前だそうで、毘沙門天はヴァイシュラヴァナの音訳(音を写した訳)です。持ち物は塔と戟です。
 
 こう考えると、他にも天はいらっしゃるにも関わらず、なぜこの四天が仏国土の護衛を任されているのか、なんとなく分かるような気がしませんか。護るのは、何も外敵からだけではないのですね。聖武天皇が東大寺や国分寺(正式名称は金光明四天王護国之寺)を建立し、護国のために四天王を祀ったのも頷けます。
 基盤と成長、広い視野と情報収集。国にとって、また、国に限らずとも、大事にしたい重要な柱です。
 韓流四天王や銀盤四天王だけではなく、本家の四天王もしっかりと胸に刻みたいものです。
                                                  (榮雅)



ひとくち伝言板

◇5月〜7月の行事予定

 5月7日 (日) 午前9時より  写経の会
 5月17日 (水) 午後1時より  月例法要

 6月4日 (日) 午前9時より  写経の会
 6月17日 (土) 午後1時より  月例法要

◇4月8日の花まつりコンサートには、多くのご協賛をいただきました。
 お蔭で素晴らしい演奏会となり、CYR(幼い難民を考える会)にも幾ばくかの寄与をすることができました。改めてお礼申し上げます。