ひとくち伝言 平成22年3月

 突然ですがクイズです。
「懺悔」←この字はなんと読むでしょう。

 「ざんげ」と答えた方、正解です。
 「さんげ」と答えた方も正解です。
 ついでに「さんがい」も正解です。

 一般的には、懺悔はキリスト教における罪の告白と謝罪のことと思われがちですが、もともとは仏教の言葉で、「さんげ」あるいは「さんがい」と読みます。僧が仏や師僧の前で自らの罪を告白をし、自己反省をすることです。キリスト教が日本に広まった際に、意味が似ていたので言葉を借りたのでしょうが、いつの間にか懺悔といえばキリスト教となってしまいました。なにせワープロが「さんげ」を漢字変換してくれません。仏教徒としては少し悔しいところです。

 ちなみに仏教の懺悔は時に自己批判と言えるほどで、例えば浄土真宗の祖、親鸞上人は自らを愚禿(ぐとく)と称し、真言宗中興の祖、覚鑁(かくばん)上人の密厳院発露懺悔文(みつごんいんほつろさんげのもん)という懺悔の文などは自分たちを最低の僧、いや、もう僧ですらないと猛省する壮絶な内容です。お二人とも、その後に後世に名を残す事を成し遂げるわけですが、一切言い訳すること無く自分の愚かさを認め、厳しく自分を見つめ直し、それでもなお自分の中心にある信心を再出発のスタート地点とされた。そんな気がいたします。単にへりくだったり謙遜するのと違うのは、誰か相手があって、それに対して自分を卑下して見せるのではなく、仏や神の前で真摯に自分を見つめるというところでしょうか。

 よく欧米では日本人の謙遜や安易な謝罪が嫌われるということを耳にしますが、それは、時にそれらが対人関係での単なる処世術や戦略となってしまうからのように思います。本心ではそんなこと毛ほども思っていないのに口だけで謙遜したり、何が悪かったのかも考えずに「反省してまーす」なんてとりあえず謝って済ませようとしたり。これでは欧米人ならずとも、誰も納得しません。対人関係においても、懺悔の心で奢ることなく自分の行いを見つめ直し、その上で真摯な態度で接することはとても大事な事ですし、「ディープリーソーリー(深く謝罪します)」と謝罪して一時的に辛い立場に立たされるとしても、それは再出発をするチャンスとなります。少なくとも、改善すべき点を誤魔化し続けるよりはずっといい。そして、自己反省をし、改めるべき点を改め、それでもやはり譲れないものがあるならばそれを大事にすればいい。そう思います。
                                                  (榮雅)



ひとくち伝言板

◇3月〜5月の行事予定

3月7日 (日) 午前9時より  写経の会
3月17日 (水) 午後1時より  春彼岸大施餓鬼会

4月4日 (日) 午前9時より  写経の会
          午後6時より  花まつりコンサート

4月8日 (木)   花まつり(降誕会)
4月17日 (土) 午後1時より  月例法要

5月2日 (日) 午前9時より  写経の会         
5月17日 (月) 午後1時より  月例法要


◇ 毎年、4月8日の花まつりにチャリティコンサートを行って参りましたが、お出かけのしやすさなどを考えまして、今年は4月4日の日曜日に行うことにいたしました。ぜひ大勢様のご来場をお待ちしております。
なお、収益はNPO「幼い難民を考える会」を通じてカンボジアの子供たちへの援助となります。出来るだけ多くの援助をカンボジアの幼い難民に送るために、チケットの他にも楽器運搬の費用をお手伝いいただけますと、大変助かります。一口1万円ですが何卒よろしくお願い申し上げます。

また、本来の花まつりである4月8日には花御堂を飾り、お釈迦様をお祀りいたします。午前8時〜午後3時頃まで甘茶のお振る舞いもいたしますので、ぜひお参りくださいませ。

◇ 今年の節分祭は前々日に雪が降り、去年の、雪が降る中での豆撒き(豆渡し)が一瞬頭をよぎりましたが、蓋を開けてみればお天気の良い中での節分祭となり、よい春迎えが出来ました。その夜にまた雪が降りまして、本当に紙一重だったとヒヤッといたしましたが。
皆様が盛り上げてくださったお陰で参加者も増え、また今年もさだまさしさんが参加してくださったこともあって、例年にも増してにぎやかな節分祭となりました。
この場を借りて御礼申し上げます。