ひとくち伝言 平成30年7月

 先日、電車に乗っておりますと、ある中吊り広告が目に入りました。「呪われた屋敷」だの「お祓い」だのと、その煽り文句に呆れたのですが、よく見れば遊園地のお化け屋敷の週刊誌風宣伝広告でした。なんでも、夫の浮気の末に恨みを持って死んだ女性の幽霊が出る屋敷だそうで、「二度と浮気できなくなる!」とか「浮気防止に最適と、カップルに大人気!?」といった宣伝文句が踊ります。人を傷つけたり裏切ったりすれば、その報いを受ける。そういった感覚が倫理や道徳を下支えしているとすれば、幽霊の役割というのも案外、大きいのかも知れません。
 仏教ではその報いの道理を、因果応報とか自業自得という言葉で説明します。善いことをすれば善い結果、悪いことをすれば悪い結果が起こるということですね。それを教訓的に、分かりやすく表しているのが、いわゆる「地獄」でしょうか。

 正法念処経というお経によれば、地獄は主に阿鼻地獄や叫喚地獄などの八大地獄と、その各地獄の周りに十六の小地獄があるのだそうです。つまり百三十六種類以上!罪をまず大まかに「むやみな殺生」、「盗み」、「淫らな行い」、「酒を利用した悪事」、「嘘をつくこと」、「真理に反することを説いて人を惑わせること」、「真面目に努力している人を害すること」、「仏さまを害すること」の八つに分けられ、その項目ごとにさらに細かく分類されます。例えば嘘なら、「親友や恩人を騙したら吼々処(こうこうしょ)」とか、「嘘で上司や目上の人を陥れた者は受苦無有数量処(じゅくむうすうりょうしょ)」といった具合。責め苦も様々で、針山や釜茹でのような肉体的苦痛を味わう刑、身体に植物を植え付けられる刑、目の前で家族を失う光景を何度も見せられる刑、ひたすら鬼に追いかけられ続けるリアル鬼ごっこ刑など、実に多種多様。どれも絶対に味わいたくありませんが、もし万が一地獄に堕ちても服役の期限がちゃんとあり、永遠ではありません。しかも、遺族の供養によって再審や減刑がされたり、お地蔵さまや観音さまの巡回といった救済措置があります。

 この地獄の話を、子どもの躾に使うような単なる脅しと考えることもできますが、お経をよく読み込んでいくと、行いの報いを刑罰という形で分かりやすく説明しているのだということが見えてきます。規範や法律に違反したから罰を与えられるのではなく、苦しみを引き寄せてしまう行為というものがある。それを伝えようとしているのでしょう。地獄の苦しみを受けないためには懺悔、つまり自分の日々の行いを省みることが大事だよと、お経は教えてくれているのです。
 どうぞ皆さまも、地獄に堕ちてしまわぬようお気をつけくださいませ。

草野榮雅 拝

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平成30年7月〜9月の行事予定 

 7月1日・2日 (日・月) 午前9時 写経の会
 7月7日〜16日頃 お盆 お棚経
 7月17日 (火) 午後2時 盂蘭盆大施餓鬼会
   お塔婆は前もってお電話かFAX、Eメールでお申し込みください。一本三千円です。
 7月29日 (日) 午後6時 献灯会

 8月11日 (土) 午前9時 坐禅の会
 8月17日 (金) 午後2時 観音経読誦会

 9月2日・3日 (日・月) 午前9時 写経の会
 9月8日 (土) 午前9時 坐禅の会
 9月17日 (月) 午後2時 秋彼岸大施餓鬼会

◇ お盆の棚経は、ご先祖様をお迎えし、ご供養する法事でございます。ご希望の方は、日程を調整いたしますので、ご連絡くださいませ。日中は時間が取れない方は、夕方以降でも結構です。
 また、ご自宅でのご供養が難しい方は明治寺へお越しいただいてお盆のご供養をなさるのもよろしいかと存じます。

◇ 献灯会は、子どもたちの未来を少しでも明るくするため、灯明を灯し、その収益金を寄付させていただく行事です。どうぞ祈りを共にしていただけましたなら幸いです。
 当日はお越しになれない方も、代わりにお灯明をお供えいたします。お気軽にお申し付けくださいませ。

◇ 8月17日は毎年恒例で流しそうめんを行います。ちょっと風流な夏のお楽しみとしてどうぞお気軽にお参りくださいませ。

◇ お盆の関係で、坐禅の会は7月、写経の会は8月がお休みとなります。どうぞよろしくお願いいたします。

お寺Q&A
Q.真言宗で唱えるお経は?
A.理趣経という、お坊さんしか読んではいけないお経のほか、妙法蓮華経の観音経、同じく観音様のお経である般若心経などをよくお唱えします。明治寺では、お勤めは理趣経、17日やご法事では観音経(ご法事は時間の関係で総論である偈文だけ)、般若心経、十句観音経をお唱えしています。