ひとくち伝言 平成30年9月

 蚊に刺された痒みというのは不愉快なものです。掻けば余計に痒くなるので、爪で×をつけて誤魔化したりして……、それでも我慢できずに掻き壊してしまったりする。面倒くさがらずに、ムヒなどの薬で痒みの原因物質を抑えるのが良いようですが、痒みが引いて油断しているとまた別のところが刺されて痒くなる。そもそも蚊なんていなければ刺されることも無かろうと、水たまりをせっせと無くしても、敵もさるもの引っ掻くもの(掻くのはこちらですが)。多少減りはするものの、どこかに隠れて繁殖を続け、根絶には至りません。結局、蚊は蚊取り線香や虫よけで遠ざけるのが一番効果的なようですが、そもそもの痒みの原因は蚊ではなくダニやアレルギーだった、なんてこともあるそうなので注意が必要です。

 不愉快な状況の原因が明白ならば対策も立てられますが、時にはその原因が分かりにくいことがあります。例えば、イライラの本当の原因は不愉快な出来事のせいだけではなく、なにか大きな心配事があって心に余裕が無いせいかも知れません。誰かが意地悪なのは性格ではなくて、ちょっとした誤解のせいかも。夜に眠れない原因は悩みではなく、生活習慣のせいということもあるでしょう。自分のせいだと思い込んでいたけれど、大きな要因は自分の外にあることだってある。本当の原因に気付けないでいると、その不愉快な状況が解決したように見えても、また同じことが繰り返されてしまいます。痒いところを掻いたりムヒを塗っているだけで、部屋の中の蚊やアレルゲンを放置しているようなものですから。

 仏教の出発点である因縁生起や四諦(苦諦・集諦・滅諦・道諦)という考え方は、原因があるので結果があり、原因が無ければ結果が無いというえらく当たり前な真理ですが、苦しみを無くすにはまず正しく原因を知るべし、という方法論を示したものでもあります。正しく物事を見つめ、正しく生活を見つめ、正しく自分の心を見つめれば、いろいろな事の原因と成り立ち、その対処法や折り合いの付け方が見えてくる。わけも分からず繰り返される苦しみから脱却できるというわけです。

 春と秋のお彼岸は、交通安全週間ならぬ「仏さまの生き方奨励週間」。いつもより少し、物事を丁寧に見つめることを心がけてみてはいかがでしょうか。

草野榮雅 拝

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平成30年3月〜5月の行事予定 

 9月2日・3日 (日・月) 午前9時 写経の会
 9月8日 (土) 午前9時 坐禅の会
 9月17日 (月) 午後2時 秋彼岸大施餓鬼会
   お塔婆は前もってお電話かFAX、Eメールでお申し込みください。一本三千円です。

 10月7日・8日 (日・月) 午前9時 写経の会
 10月13日 (土) 午前9時 坐禅の会
 10月17日 (水) 午後2時 観音経読誦会

 11月4日・5日 (日・月) 午前9時 写経の会
 11月10日 (土) 午前9時 坐禅の会     
 11月17日 (土) 午後2時 百観音総供養

◇ 西日本豪雨災害で被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。日本赤十字の義援金口座開設に際し取り急ぎ花まつりコンサートの収益留保分より二十万円を寄付いたしましたので、ご報告いたします。
 私も七月に岡山の真備町へ泥掻きのお手伝いに行って参りましたが、被害面積の広さと暑さのために作業もなかなか捗らず、長期的な支援が必要になりそうです。

◇ 今年の献灯会ではお灯明の利益、募金等を合わせて399,571円が集まりました。日本ユニセフに十万円、日本赤十字の西日本豪雨災害義援金に十万円、東日本大震災義援金に八万円を寄付し、今後、豪雨災害被災地の子ども支援NPО団体に十万円を寄付させていただく予定です。

◇ 昼と夜の長さが同じになる春分の日と秋分の日の前後三日ずつ、合わせて一週間がお彼岸です。仏さま、ご先祖さまに心を寄せてお過ごしくださいませ。秋彼岸大施餓鬼会塔婆供養は、事前にお申し込み願います。