ひとくち伝言 令和2年5月

 新型コロナウイルスへの感染予防として「三つの密を避けましょう」という標語が立てられています。密閉された空間、密集した場所、密接する場面を避けましょう、ということですね。しかし真言僧としては、実はちょっと複雑な気持ちです。
 真言宗や天台宗などの密教では「三密(さんみつ)」という言葉をとても大事にしております。この三つの密とは身密(しんみつ)、口密(くみつ)、意密(いみつ)のことで、善い行いと善い言葉と善い心のこと。だから、「三密を避けましょう」と聞くたびに「善いことは避けないでぇー!」と心の中で叫んでしまうのであります。

 人間というのは時に良くない考えを持ったり、言葉で人を傷つけたり、間違ったこともしてしまう。そんな習性を仏教では「業」と呼んだりもしますが、そんな人間の奥深くには、善なるものも必ず潜んでいる。それを密(秘められた深遠なるもの)と名付け、まずはそれに気付き、表に出していこうとするのが密教です。
 どのようなことが善い行い、善い言葉、善い心なのか。それはその時々で変わってくるでしょう。常にそれを意識し、自分を省みることが大事なのですが、この新型コロナウイルスの事態においては次のようなことが三密に当たるかと思います。

 身密  なるべく外出を控え、手洗いを心掛ける。周りにウイルスを媒介してしまわないよう、自分の行為、行動に注意を向ける。

 口密  根拠の無い噂話を広めて人を不安にさせない。感染した人や感染の危険性が高い人、自分と違う意見の人への悪口を言わない。

 意密  心を落ち着けることを心掛ける。そして、少しでもいいから自分のことだけでなく、他人のことも思いやる。

 弘法大師のご著書に「三密加持すれば速疾に顕わる」という言葉があります。加持というのは、仏さまからの力を受け止めること。言い換えれば、仏さまから伸ばしてくださっている手を、私たちからも手を伸ばして繋ぐことです。ちょっとした親切でも、やさしい言葉がけでも、ほんの小さな心掛けでも大丈夫。いつもよりちょっとだけ、頑張ってみる。そうやって、私たちの行い・言葉・心が、仏さまの行い・言葉・心と通じ合った時に、一気に大きな力が働くということです。

 そういえば、密という漢字は、家(宀)の中できっちり戸締り(必)をし、ひっそりしている(山)様子から成り立っています。密閉、密集、密接は避けつつ、善い「密」は大事にして、この困難を乗り越えましょう。


草野榮雅 拝

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令和2年3月〜5月の行事予定

 5月9日 (土) 午前9時 坐禅の会   (ライブ配信)
 5月17日 (日) 午後2時 観音経読誦会 (ライブ配信)

 6月7日・8日 (日・月) 午前9時 写経の会
 6月13日 (土) 午前9時 坐禅の会
 6月17日 (水) 午後2時 観音経読誦会

 7月5日・6日 (日・月) 午前9時 写経の会
 7月11日 (土) 午前9時 坐禅の会
 7月17日 (金) 午後2時 盂蘭盆大施餓鬼会
 7月26日 (日) 午後6時 献灯会

◇ 緊急事態宣言の延長に伴い、5月の写経の会は中止といたしますが、ご希望の 方には写経用紙をお送りします。送料は寺で負担いたします。
普段、写経の会に参加していない方も、この機会に自宅で写経をなさってみてはいかがでしょうか。筆でなくとも、鉛筆やサインペンでも結構です。

◇ 坐禅の会、観音経読誦会は、なるべく外出をお控えいただきたいと思います。
なお、不慣れながらインターネットでライブ配信もしております。 インターネットが利用できるパソコンやスマートフォンをお持ちの方は、どうぞご参加ください。
詳しいご案内は明治寺のフェイスブック ページ、およびラインでご案内します。

6月以降の行事につきましても、状況によっては自粛が必要かも知れません。
判断がつかない場合は、どうぞお問合せくださいませ。

◇ ご法事につきましては、コロナウイルスが終息するまで延期なさってもよろしいかと思います。なお、電話越しのお経、オンラインでのご法事も、対応は可能です。

◇ 百観音明治寺フェイスブックページ
  https://www.facebook.com/meijidera/

◇ ライン登録用アドレス
  https://lin.ee/cjgD55g