ひとくち伝言 令和3年3月

 「今まで生きてきた中で、あなたが嬉しいと思った事、幸せだと思った事はなんですか?」
最近、こんな質問をいろいろな人にしています。
「家族が増えた事かな」
「二年前、難しい仕事がうまくいった時ですかね」
「子どもの頃の家族旅行の事が思い浮かびました。これが私の、幸せのイメージなのかな」
当たり前のことながら、答えは様々です。中には、
「9回、交通事故に遭ったことですね」
という人もいました。……それは不幸な事では?。どういう事か聞いてみますと、
「だって、9回も事故に遭ったのに大きな怪我も後遺症も無いんですよ?これって、すごく幸せなことだと思うんですよね」
うん、まぁ、確かに。見方によっては、そうなのかも知れない。
他にも、「今日は天気が良かった」とか「ご飯がおいしかった」とか、そんなささやかな事に幸せを見つけられる人もいて、それぞれ幸せを感じ取るセンサーの向きや感度が違うのだなぁと感じます。でも、幸せの中身は違っていても共通していることが一つ。それは、幸せな思い出を話している内に、皆さん少しずつ顔が明るくなること。

 アメリカのラトガース大学の研究によれば、幸せな思い出をたった14秒間、思い出すだけでストレスを抑制するのだそうです。自分が経験してきたものが、辛い時、くじけそうな時にも自分を支えてくれるということなのでしょう。「今」から逃げ出すためではなく「今」を生きるために、思い出は大事なものです。

 法句経というお経に、「ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によって作り出される」という句があります。心の有り方が世界を作る。言い換えれば、過去の自分が考えた事、感じた事が今の自分を形作っているとも言えます。幸せな時間の中で感じたこと、苦難を乗り越えた瞬間の気持ち、大切な人と共に過ごした時間。全てが、今の自分の一部として息づいている。そう考えると、過去は単に「過ぎ去ったもの」ではないのかも知れません。今の自分の心の向きを知るためにも、自分が感じてきたものを思い返してみるのはいかがでしょう。
 今まで生きてきた中で、あなたが嬉しいと思った事、幸せだと思った事はなんですか?

草野榮雅 拝

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令和3年3月〜5月の行事予定

 3月7日・8日 (日・月) 午前9時 写経の会
 3月17日 (水) 午後2時 春彼岸大施餓鬼会
         お塔婆のお申し込みは前もってお電話かFAX、Eメールにてお願いいたします。1基三千円です。

 4月4日・5日 (日・月) 午前9時 写経の会

 4月8日 (木) 花まつり(降誕会)

 4月17日 (土) 午後2時 観音経読誦会(月例法要)
 4月29日 (木・祝日) 午後2時 慈音会総供養

 5月2日・3日 (日・月) 午前9時 写経の会
 5月17日 (月) 午後2時 観音経読誦会並びに護摩供養

◇春分の日前後の一週間、昼夜の長さが丁度同じくらいになる期間がお彼岸です。
その少し前の17日にはお施餓鬼の法要を行い、ご先祖様や亡くなった方々をご供養いたします。
お塔婆をご希望の方は、事前にお申し込みくださいませ。
お施餓鬼は、感染予防の対策をし、例年通りに行う予定です。
ただし、法要後の会館でのお接待については、状況によっては控えさせていただきます。

◇坐禅の会は、なかなか状況が落ち着かないため、当面はお休みといたします。
また安心して集まれる状況になりましたら再開いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

◇例年行っております花まつりコンサートですが、4月ではまだ催しを行える状況ではないと判断し、花まつりに合わせての開催は見合わせることにしました。
昨年から延期のままで、楽しみにしてくださっている方には 申し訳ありませんが、花まつりにこだわらず折を見て開催できればと考えております。
その際には改めてお知らせをいたします。
どうぞよろしくお願いいたします。


◇ 百観音明治寺フェイスブックページ
  https://www.facebook.com/meijidera/