ひとくち伝言 令和3年5月

あるところに二人の囚人がおりました。二人は共犯で、求刑は懲役五年なのですが、どちらもずっと黙秘をしているために証拠が不十分。このままだと二人の懲役は二年になりそうです。そこで、二人には司法取引が持ちかけられました。「共犯相手の罪を供述したら、相手の懲役を十年にして、お前はすぐに釈放してやるぞ。ただし両方とも供述したら法律通り、二人とも懲役五年だ」と。さて、この囚人たちはどうするでしょうか。

これは社会学で有名な「囚人のジレンマ」という話です。倫理的なことはちょっと置いておいて、二人の懲役の合計年数が一番少ないのは両者とも黙秘をした場合の四年ですね。でも、なかなかそれが出来ない。自分の得のために、あるいは自分だけが損をしないように、供述してしまう。協力した方が全体としては良い結果になると分かっていても、個人の損得勘定ではその選択が出来ず、結果として悪い状況になってしまうという問題です。
このジレンマ、今の自粛状況にちょっと似ていませんか?社会全体が少しずつ我慢をすれば感染はもっと少なくなるのでしょうが、なかなかうまくいきません。実はこのジレンマ解決には、「繋がり」がとても重要だそうです。
社会学的分析によると、二人の囚人がもう二度と会わない場合、裏切りの抵抗感はとても小さくなります。しかしその先もずっと関わり合いが続くならば、仕返しを受けるなどのデメリットが大きくなって、協力する方が得になる。社会も同様です。ちょっと楽をしたいとか、損をしたくないという理由で全体のためのルールが破られることもありますが、個人と個人の関わり合いが信用や評価の低下といったデメリットを大きくし、良好な関係などのメリットを具体的にします。それぞれの都合で相容れない事は多々あるものの、その食い違いの差を小さくすることはできる。人と人との身近な「繋がり」が、社会の雰囲気や流れを作っていきます。

それでも協調できなかったり、対立することもありますが、少なくともその相手の行動が悪意からではないと気付くだけで、自分の心が少し楽になりますよ。皆、自分の幸せや、少しでも良い状態のための選択をしています。もし敵意や怒りを向けられたとしても、その虚勢を一番必要としているのは、当の本人なのかも知れません。
多くの人が協力を選ぶことによって、皆がこのコロナという牢獄から一刻も早く開放されることを、心から願っております。

草野榮雅 拝

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令和3年5月〜7月の行事予定

 5月2日・3日 (日・月) 午前9時 写経の会

 5月17日 (月) 午後2時 観音経読誦会 並びに護摩供養

 6月6日・7日 (日・月) 午前9時 写経の会

 6月17日 (木) 午後2時 観音経読誦会

 7月4日・5日 (日・月) 午前9時 写経の会

 7月17日 (土) 午後2時 盂蘭盆大施餓鬼会

 7月25日 (日) 午後6時 献灯会

◇写経の会は人数を限定した上で予定通り行いますが、緊急事態宣言中のため普段通りという訳には参りません。
予めご了承ください。
なお、いつも日曜日の方が人数が多いため、ずらすことができる方や新規の方は月曜日にお願いいたします。

◇行事予定は状況によって、変更や中止等を判断することがございます。

◇リモートワークの疲れや、新社会人の研修の一環として、様々な企業を相手にオンラインマインドフルネス講座を行っております。
グループで行うプログラムです。興味のある方はお問合せください。

◇7月、8月はお盆の時期です。
7月のひとくち伝言でもあらためてご案内いたしますが、ご希望の方のお宅にお伺いして、ご供養をいたします。
マスクをしたままお経を上げさせていただきます。
ご自宅で人が集まるのがご不安なようでしたら、寺にお位牌をお持ちいただき、ご供養いたします。

◇ 百観音明治寺フェイスブックページ
  https://www.facebook.com/meijidera/