ひとくち伝言 平成18年9月
今年の夏一番の話題と言えば、やはり夏の甲子園、全国高校野球選手権大会でしょう。なかでも、優勝校である早稲田実業のエース、「ハンカチ王子」こと斉藤君の人気はすごかったですね。嫌なニュースばかりが耳に入ってくる昨今ですが、真夏に吹いた爽やかな風のような感動を与えてくれました。
石原都知事も、「東京だけじゃなく、日本全体に新しい夢を与えてくれた」と絶賛し、超・超ジェラルミン製の黒い金属バットを記念品として贈呈したそうです。「お金があれば金で作るんだがな」と冗談を言いながらも、買いに行かせた部下には「飾りでなく、いざとなれば使えるものを」と指示しているあたり、石原都知事らしいですね。
ところで、いきなりナンセンスな疑問ですが、金で出来たバットと、超・超ジェラルミンで出来たバットでは、どちらの方が良いバットなのでしょうか?
野球の試合で使うのであれば、間違いなく超・超ジェラルミンのバットでしょう。なんせ「超」が二つも付いています。聞くからにもの凄そうです。超・超ジェラルミンがどんなものなのかは分かりませんが、金属としては柔らかい部類の金では全く敵わなそうです。
しかし、お値段で考えれば、明らかに金のバットの方が断然お高いわけです。いったい幾らお金があれば作れるんでしょう。想像もつきません。
経済学の言葉で「価値」とは、使おうとした時の価値と、お金などと交換しようとした時の価値に分けられるそうですが、まさにそれですね。
また、早稲田実業の野球部員にとって、このバットは優勝の記念ですから、金だろうが超・超ジェラルミンだろうが、きっとその価値に違いは無いことでしょう。
結局のところ、私たちがどういう風に見るか、どんな価値のはかり方をするのか、で評価は変わるようです。価値という考え方自体、私たちが勝手に貼り付けているものなのでしょう。
世の中にはいろんな尺度があります。大きさ、広さ、高さ、新しさ、強さ、速さなど、例を挙げればキリがありませんが、一つの尺度で計った性質が全てだと早合点してしまうと、別の価値や長所に気づけないかもしれません。物にしても人にしても、気をつけたいものです。
ちなみに、善い性質を正価値、悪い性質を「反価値」とも言うそうです。パソコンでハンカチ王子と打つ時には、変換ミスにご注意を。
(榮雅)
ひとくち伝言板
◇9月〜11月の行事予定
9月3日 (日) 午前9時より 写経の会
9月17日(日) 午後1時より 月例法要 並びに 秋彼岸大施餓鬼会(塔婆供養)
お塔婆は前もってお電話かFAX、eメールにてお申し込みください。
1本3,000円です。
10月1日 (日) 午前9時より 写経の会
10月17日(火) 午後1時より 月例法要
11月5日 (日) 午前9時より 写経の会
11月17日(金) 午後1時より 月例法要 並びに 石仏総供養
◇献灯会ご報告
お天気が心配された今年の献灯会ですが、過ごしやすい気候に恵まれ、例年にもまして厳かで賑やかな一夜となりました。…お天気の心配は毎年の事ですが。
実は今年、さだまさしさんが「献灯会」の曲を作ってくださいまして、そのお陰もあって、いつにも増していい雰囲気だったように思います。
お灯明は全部で880灯があがり、お陰様で計105,948円をユニセフに寄付することが 出来ました。また、ガムラングループ・ランバンサリが行った中部ジャワ地震募金の方は計30,948円が集まったそうです。有り難うございました。
なお、さだまさしさんが作ってくださった「献灯会」の曲は、9月13日に発売のアルバム、「美しき日本の面影」に収録されます。
寺でもお買い求めいただけるよう多めに注文しておりますので、ご希望の方はどうぞお申し出ください。