ひとくち伝言 平成19年11月

 最近、カラスに悩まされています。
 今までも庭の観音様へのお供えの花を散らされたり、お線香で遊ばれたりと、困った存在ではありましたが、今年は特に手こずっています。
 いたずらは今年の雛が一人前になった九月頃から盛んになりました。綺麗に咲いた彼岸花を折って地面に花びらを散らし、なにやら芸術活動のようなことをしたり、本堂に忍び込んでお茶菓子を盗み食い(しかも本堂の中で!)したりと、行儀知らずも甚だしいですが、さらにその恐るべき知能の片鱗を感じさせる事件が起こりました。

 今年孵った雛の中に、いつもピョコピョコと地面を歩いている奴がいます。そのカラスに餌をやっている方がいましたので、やんわりと注意をいたしますと、「こいつ、飛べないようだから可哀想で…すみません」と頭を下げました。餌をやりたい気持ちは分からないではありませんし、注意すると逆に怒鳴られることもありますので、「ああ、分かってくださって良かった」と思ったのですが、気になることがひとつ。そのカラス…、飛べます。

 どうも人間を「餌をくれる存在」と思っているようで、しかも「飛ばない方がもらえる」という事を学習してしまったようです。ビニール袋を持った人が通りますと、飛べない振りをしてピョコピョコと歩いて後を付いていきます。人がいなくなるとバサバサッと飛び立つんですけどね。
 公園の野良猫に餌をやる人もあるのですが、その人がいなくなると猫を追っ払って餌を横取りしたりもしています。
 ちょっとこのままではまずいので、「カラスに餌をやらないでください」という紙をクリアファイルに挟んで公園のベンチの所に貼ったところ、すぐにカラスに剥がされました。剥がされないように厳重に貼り付けたら、クリアファイルの中の紙だけを抜かれました。
 
 あの手この手でカラス対策を試みたのですが、どうもこっちが何かやればやるほど向こうも知恵を働かすようです。むしろカラスを発奮させるきっかけをこちらが与えているような気すらしてきます。
 寺の境内をなるべく綺麗に保ちたいというこちらの都合と、そこに暮らすカラスの都合の折り合いが付かないのでイザコザが起こるわけですが、この都合の押し付け合いを避ける上手い知恵は無いものでしょうかね。言葉が通じず、価値観も違う相手と上手くやっていくにはどうしたらいいんでしょう。
 とりあえず、今は相手の事を理解するために、カラスの生態を研究中です。

 どなたかいいお知恵がありましたらどうぞお教えください。


                                                  (榮雅)



ひとくち伝言板

◇11月〜12月の行事予定

11月4日 (日) 午前9時より  写経の会  
11月17日 (土) 午後1時より  大護摩供 並びに 境内石仏総供養
                   護摩札のお申し込みは前もってお電話かFAX、eメールにてお願いいたします。1体3,000円です。

12月2日 (日) 午前9時より  写経の会
          (終わった後に、一足早い年越し蕎麦をみんなでいただきます。)
12月17日 (月) 午後1時より  納めの観音法要

◇本堂北側のお稲荷さんの辺りは、雨が降ると大量の水が流れますので、地盤の小石がだいぶ露出しておりました。水と共に泥も流れ、排水溝を詰まらせたり道路に溢れたりと、悩みの種でありましたが、先日やっとアスファルト舗装することが出来ました。少し味気ない気もしないではありませんが、「歩きやすくなった」という声も聞こえて参りますので、まぁ良しとしましょう。
 透水性のアスファルトだそうですので、少し雨が楽しみです。

◇風邪が流行っているようです。今年の風邪は長びくそうですが、どうも毎年そんな話を聞くようにも思います…。かく言う私も、しっかりと風邪をひいてしまいました。皆様もどうかお気をつけくださいませ。