ひとくち伝言 平成23年5月
まず、この度の東日本大震災で犠牲となられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。また、被災された方々や、今もなお避難を強いられている方々、様々な被害に苦しまれている方々のご心痛、ご不安はいかばかりかと拝察し、深くお見舞い申し上げます。
この大震災について、世界中の人々がその被害の大きさに心を痛め、今後の復興についても、実に多くの方が心配し、智恵を絞り、尽力されていらっしゃいます。それぞれが、それぞれの立場と視点から現実と未来を見据えておられます。しかしながら、ある程度それがまとまって、正確な事態の把握や方針ができあがるまでには、もう少しだけ時間がかかりそうですので、今現在、はっきりとしている確かなことについて少し、言葉を綴ってみようかと存じます。
確かなこと、ひとつめ。なにか支援をしたい、ボランティアで少しでも復興のお手伝いをしたいと思う人が本当に本当に大勢いること。大震災以降、支援団体やボランティアが大勢現地入りして活動してきましたが、特にこのゴールデンウィークには、各地のボランティアセンターが対応しきれないほどボランティアを希望する人が多かったとか。きっと、自分の日常で踏ん張ることが支援に繋がると信じ、三月十一日のあの日から今まで駆けつけたい気持ちを抑えていたのでしょう。また、義援金も、日本赤十字への募金だけでも約千六百億円(四月末時点)集まったそうです。
確かなこと、ふたつめ。子供たち、少年少女たちがとても心強いこと。町が壊滅し、打ちひしがれたお年寄りに「僕がいつか元通りにしてみせます」と約束する少年、避難している人たちのために涙をこらえてブラスバンドの演奏で応援をする少女、避難所となった学校の校庭で自衛隊車両やテントの合間を縫って元気に遊ぶ子どもたち。彼らの姿は本当に心強く、多くの方が勇気付けられていることでありましょう。
確かなこと、みっつめ。これからが大事だということ。支援やボランティアはまだまだこの先も、というよりもむしろ、これからこそ必要なのだそうであります。大震災から二ヶ月が経ち、直接被害を受けなかった地域ではあの衝撃も少しずつ薄れはじめようかという今、もう一度「今、自分にできること」を考えてみるのもまことに意義あることかと存じます。
ある被災をされた方が、崩れかけた家から家具を運び出しつつ、ポツリと語ってくださいました。「家がメチャクチャになって呆然としていた時にね、本棚から飛び出した一冊の本がたまたま目に止まったんですよ。そこには、『明日のことを思い煩わなくてもいい。今を精一杯に生きなさい』って、そう書いてあった。この先どうしようかと絶望していた時に、なんだかこの言葉のお陰で少し、気持ちが楽になったんです。」
それはお釈迦様の言葉を要約したものだったそうです。今の日本の状況では殊更に奥深い言葉に感じられます。
(榮雅)
ひとくち伝言板
5月17日 (火) 午後1時より 月例法要
6月5日 (日) 午前9時より 写経の会
6月17日 (金) 午後1時より 月例法要
7月3日 (日) 午前9時より 写経の会
7月17日 (日) 午後1時より 盂蘭盆大施餓鬼会
7月31日 (日) 午後6時より 献灯会
◇花まつりコンサートご報告
毎年このコンサートは、長く続いた内戦のために今もなお深刻な状況にあるカンボジアの子どもたちに、少しでも笑顔のお裾分けをするために続けてまいりました。しかしながらこの大震災という未曾有の事態に、世界中から日本への支援が表明され、カンボジアからも支援をいただきました。首都プノンペンやアンコール遺跡のあるシェムリアップの町ではチャリティコンサートやチャリティバザーも催されたそうです。この助け合いの気持ちを有り難く頂戴し、今年の花まつりコンサートの収益金20万円のうちの一部を東日本大震災の義援金にも寄付をさせていただくことといたしました。ここにご報告申し上げます。
◇沼袋親交会 東日本大震災 第一次義援金についてのご報告
沼袋親交会(商店会)による義援金募金箱設置の呼びかけを受けて、明治寺本堂にも募金ペットボトルを設置しておりました。沼袋だけで1ヶ月弱の間に97万2425円の募金があったそうです。中野区役所を通じて、被災地へお届けするとのことでございます。引き続き、第二次義援金募金のペットボトルを設置しております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
◇百観音明治寺百年祭について
百年祭の御協賛をすでにお寄せくださっている方々に、深く感謝申し上げます。一年の半分も過ぎぬうちに、近年にない大変な年となってしまったわけですが、それでも百周年の年を延期するわけには参りません。この大震災により、大きく変化せざるを得ないであろう社会と共に、明治寺も新たな一歩を踏み出そうと存じます。11月の17日〜19日の百年祭は予定通り行います。何卒よろしくお願い申し上げます。