ひとくち伝言 平成24年1月

和顔愛語 先意承問(わげんあい ごせんいじょうもん)
                        平 成 二 十 四 壬 辰  年  正 月

 百観音明治寺に、百度目の新年がやって参りました。こうして無事に新たな年を迎えられますのも、偏に皆様のご厚誼のお陰と感謝申し上げ、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。

 昔から、「笑う門には福来る」と申します。笑う門、すなわち笑顔が溢れるところには、自然と幸せが訪れるという諺でございます。やはり福の神さま方も、始終眉間に皺を寄せてムスッとしている人のいるところよりも、ほんわか和やかな人のところの方が居心地が良いのでありましょうか。
 冒頭の和顔愛語(わげんあいご)という言葉は、無量寿経(むりょうじゅきょう)というお経の一節でございます。和顔軟語(わげんなんご)とも申しまして、つまり和やかな笑顔と、やわらかくてやさしい言葉のこと。「人を思いやり、笑顔と思いやりの言葉を心がけなさい」という、仏さまからのアドバイスでございます。これは、和顔施(わげんせ)(和やかな表情を人に施すこと)、愛語施(あいごせ)(やさしい言葉を施すこと)という、立派な布施の修行でもあります。そのようにコを積んでおりますれば、自然に人も福も集まろうというもの。逆に、険しい顔や刺々しい言葉は人も福も遠ざけてしまうものでございます。
 アランというフランスの哲学者が幸福論という本の中で、「不機嫌というものは、結果でもあるが、それに劣らず原因でもある」と述べております。不機嫌でいること自体が、不幸な出来事や不機嫌の原因となってしまうのですね。ならば、不機嫌な時や幸せではない時にも、眉間に皺が寄るのをグッとこらえて、まず和やかに微笑むこと。言うほど簡単なことではありませんが、不機嫌が不機嫌を生む負の連鎖を止め、幸福へと
舵を切るためにはとても大事なことなのかも知れません。少なくとも、不機嫌な顔をしていれば解決することというのは、そうそうありませんから。きっとその微笑みは、周りの人ばかりでなく、ご自身にも安らかな気持ちと心の余裕をもたらすことと存じます。

 暗いニュースばかりが聞こえてくる昨今ではございますが、だからこそ日々の生活での、ちょっとした微笑みや人を気遣う言葉の大切さを忘れないようにしたいものでございます。どうか皆様にも、和顔(わげん)と愛語(あいご)溢れるお健やかな一年をお過ごしいただきたく存じます。 

 また、昨年十一月の百観音明治寺 開創百年祭におきまして、私、榮雅が明治寺第五世住職に晋山(就任)いたしました。謹んでご報告を申し上げますとともに、どうか今後とも変わらぬご厚情と、ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

                                             (榮雅)



平成二十四年 行事ご案内 
  (毎月十七日の法要はすべて午後一時からです)

 1月1日(日) 修 正 会(しゅしょう え )(元日護摩供・ご祈祷)
 1月17日(火) 月例法要 初観音大護摩供
                ならびに開基榮照法尼祥月忌
 2月3日(金) 第百回節分祭 星祭 午後二時より法要 豆撒き
 2月17日(金) 月例法要
 3月17日(土) 月例法要 春彼岸 大施餓鬼会
 4月8日(日) 釈迦降誕会(ごうたんえ)=花まつり 花まつりコンサート
 4月17日(火) 月例法要 ならびに開山密信和上祥月忌
 4月29日(日・昭和の日) 慈音会法要・多宝塔供養祭
 5月17日(木) 月例法要
 6月17日(日) 月例法要
 7月17日(火) 月例法要 盂蘭盆 大施餓鬼会
 7月29日(日) 百観音献灯会 夕方六時より
 8月17日(金) 月例法要
 9月17日(月・敬老の日) 月例法要 秋彼岸 大施餓鬼会
 10月17日(水) 月例法要
 11月17日(土) 月例法要 境内石仏総供養大護摩供
 12月17日(月) 月例法要(納めの百観音法要)

 毎月第1日曜日午前9時より 写経の会 (小筆をご持参ください)
         但し 1月は8日の第2日曜日に変更いたします
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※今秋に、明治寺開創百周年の納めといたしまして、記念会館落慶式を行う予定でございます。詳細は後日改めてご案内申し上げます。

※本年の節分祭は第百回目の節分祭となりますので、是非御参加を いただきたく存じます。お申し込みについて等、ご不明な点がござい ましたら、どうぞ明治寺までお問い合わせくださいませ。