ひとくち伝言 平成26年5月
私が子どものころ、父がこんなことを教えてくれました。
「この世の中には仏さまの教えや神様の教え、他にもたくさん偉い人の教えがあってね。みんなそれぞれ違うことを言っているように思うかも知れないけど、本当に伝えたい大事なことは、それほど大きくは変わらないんだよ。」
父は、神社ではもちろん、キリスト教やイスラム教の教会に行けばそこの神様に深々とお辞儀をする、そんなお坊さんでありました。
やがて私も、聖書やコーラン、各宗派のお経をなんとなく読むようになり、言葉の違いを味わい、そして、愕然としたのであります。イエスさまとお釈迦さまの違いどころか、お釈迦さまお一人のおっしゃることすら、お経によってだいぶ違うじゃないか……。
実はお釈迦さまは、その人の悩みや苦しみに応じてお話をされましたので、語られた言葉をただ拾い集めれば、食い違いが出てくるのは当然なのです。目的地に対して右を向いている人がいれば左へ、左を向いている人がいれば右へ導かなければなりませんから。種々の苦しみ、千差万別の悩みに、同じアドバイスをするなんて手抜きを、お釈迦さまは決してしないのであります。
ですから、その違う状況のお言葉を並べて、「こっちの方が正しい」
「あっちは間違いだ」なんてことをやったって仕方がない。それよりも、それぞれの言葉の奥にある、本当に伝えたい大事な事について考える方がよっぽど良いじゃないか。こういう考え方を、仏教では「和会通釈(わえつうしゃく)」と申します。二つの違う概念が出会った時に、その二つに通じる解釈を見出し、調和させるのですね。一つの視点からでは一面しか見えませんが、縦横斜め、四方八方、違う視点を重ねることで、初めて見えてくるものもございます。
四字熟語が出て来ますと、途端に話が難しくなるような気がしますが、この「和会通釈」は、実はとてもとても身近な言葉です。和会通釈、略して「会釈」。なぜか今では単なるお辞儀のように思われておりますけれど……。きっと、考え方が違う人同士が出会った時に、お互いの考え方に敬意を払い、違いを味わい、その上で相手と通じ合おうとする気持ちを、お辞儀で表したのでしょう。会釈とは、違いを乗り越えて人と人とが繋がろうとする姿勢でもあるわけです。様々な価値観が行き交う現代では、殊更に大事にしたい言葉でございます。
(榮雅)
5月〜7月の 行事ご案内
5月4日 (日) 午前9時 写経の会
5月5日 (月) 午前9時 写経の会
5月17日 (土) 午後1時 月例法要並びに護摩供養
6月1日 (日) 午前9時 写経の会
6月2日 (月) 午前9時 写経の会
6月17日 (火) 午後1時 月例法要
6月19日 (木) 第三回 坂東三十三観音 日帰り参拝旅行
7月6日 (日) 午前9時 写経の会
7月7日 (月) 午前9時 写経の会
7月17日 (木) 午後1時 盂蘭盆大施餓鬼会
7月27日 (日) 午後6時 献灯会
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◇古代インドでは正月、5月、9月は特に大事な時期として、戒律を守り精進いたしました。この正五九月に因み、5月の17日には護摩法要を修行いたします。どうぞ御参拝くださいませ。
また、法要の後、午後3時頃より腕輪念珠作りを開催いたします。水晶で簡単な腕輪念珠を作りますので、興味がお有りの方はどうぞ御参加ください。お子さんやお孫さんとの御参加も歓迎いたします。なお、材料費として千円を申し受けます。
◇ 第三回坂東三十三観音日帰り参拝旅行 は、埼玉方面を予定しております。現在、企画中ですので、詳しくはお問い合わせください。
行程(予定)
午前8時半 平和の森公園集合、出発 中野駅集合場所
ー 慈恩寺(十二番) ー 安楽寺(十一番) ー 昼食 ー
慈光寺(九番) ー 正法寺(十番) ー 午後7時頃 中野・沼袋到着
参加費 七千円
申込締切り 6月2日 (但し定員20名に達し次第、閉め切ります)
◇今年の花まつりコンサートは、「災害子ども支援ネットワークみやぎ」の小林純子さんにお越しいただき、被災地の現状などをお聞きしました。
収益金二十五万円をNPO団体幼い難民を守る会を通じて被災地およびカンボジアの子ども達のために寄付させていただきます。
ありがとうございました。