ひとくち伝言 平成27年7月
仏教に縁が深い花というと、どんな花が思い浮かぶでしょうか。長持ちすることから仏花の定番となった菊や、乾きを癒やすお盆のミソハギ、お彼岸に咲く彼岸花〔別名:曼珠沙華(まんじゅしゃか)〕、古漫画屋さんで少し有名な曼陀羅華(まんだらけ)もあります。そうそう、ホトケノザなんて花もありましたね。そして忘れちゃいけないのが、咲いた日に散る沙羅の花。しかしながら、最も仏教を象徴する花と言えば、やはり蓮でありましょう。
注意してお寺をご覧いただきますと、いたるところに蓮華の意匠が使われている筈です。あれも蓮華、これも蓮華。仏さまというのは、そんなに蓮華がお好きなんだろうか。なんせ、ほとんどの仏さまが蓮華の上に乗ってしまわれているくらいです。
蓮の大きな特徴の一つに、「超撥水」という性質があります。蓮は水生植物でありながら、その葉は絶対に濡れることがない。よく似た花を水面に咲かせる睡蓮には、この撥水性はありません。蓮のこの性質はロータス(英語でハスのこと)効果と呼ばれ、最先端の塗装技術などにも応用されているのだとか。
また、「蓮に徒花(あだばな)なし」と言われるように、蓮は咲き損ねることがあまり無いそうです。とてもたくましい花なのですね。八百年前の中尊寺ハスや二千年も前の大賀ハス、もしかしたら三千年も前の行田ハスなどが、じっと発芽条件の揃う時を待ち、見事に開花したように、丈夫で辛抱強いのも特徴です。
生きていれば欲に惑わされることも、暗い感情に押し潰されそうな時もある。無垢なままではいられないこともあるでしょう。表面上は波紋無く穏やかに見える人だって、その心の底には様々な苦労や苦しみが泥のように沈殿しているのかも知れない。けれど、どんなに泥にまみれても、心の根っこの部分は絶対に汚されないし、染まらない。むしろ、その泥が濃いほどに力強く茎を伸ばし、水面をはるかに超えて大輪の華を咲かせることでしょう。たとえ今はそれが分からなくても、いつか必ず。仏さまは蓮華を示して、そう我々を勇気づけてくれているのですね。
実は今、明治寺でも鉢で蓮を育てておりまして、つぼみが日に日に大きくなって参りました。私もこの蓮華が花開くことを楽しみにしながら、泥にまみれて世話をしております。
草野榮雅 拝
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平成27年 7月〜9月の行事予定
7月5日・6日 (日・月) 午前9時 写経の会
7月11日〜16日頃 お盆 棚経期間
7月17日 (金) 午後1時 盂蘭盆大施餓鬼会
お塔婆は前もってお電話かFAX、Eメールで
お申し込みください。一本三千円です。
7月26日 (日) 午後6時 献灯会
8月17日 (月) 午後1時 観音経読誦会
9月6日・7日 (日・月) 午前9時 写経の会
9月12日 (土) 午前9時 坐禅の会
9月17日 (木) 午後1時 秋彼岸大施餓鬼会
◇ お盆の棚経は、ご先祖様方へご供養をする法事でございます。ご希望の方は、日程の調整をいたしますので、お早めにご連絡くださいませ。間近になりますと、ご希望に添えない場合がございます。
また、本来はご先祖様をご自宅へお迎えする法事ですが、ご自宅でのご供養が難しい方は明治寺へお越しいただいてご供養なさっても結構です。
◇ 毎年雨が心配な献灯会。去年は折角のンドネシアの影絵芝居「ワヤン」が屋内での上演となってしまいました。今年こそ、というとで、一回目は舞踊、二回目の演奏はワヤン上演が決定いたしました。お楽しみに。
また、今年も収益の半分をユニセフに、もう半分を、今なお東日本大震災の影響で辛い思いをしている子供たちのために寄付させていただきます。当日お越しになれない方も、代わりにお灯明をお供えいたします。どうぞお申し付けくださいませ。
◇ 去年、好評だった流しそうめんを、今年も開催いたします。8月の観音経読誦会の後、本堂前庭にて行いますので、お誘い合わせの上、どうぞお気軽にお参りくださいませ。
◇ 毎月第二土曜日の午前9時より、坐禅の会を行っておりますが、7月、8月はお盆の棚経の期間に入りますので、お休みとさせてただきます。
◇ お寺ヨガが話題ですが、明治寺でもタイ式ヨガの教室を毎週水曜日午前10時より開講しております。お若い方からご高齢の方まで、どなたでもご参加いただけます。
詳しくはサラの樹鍼灸院までお問い合わせださい。
サラの樹鍼灸院 03ー6314ー9345