ひとくち伝言 令和6年1月

令和六 甲辰 年 正月

 謹んで新たな年のご挨拶を申し上げます。
 新年には抱負、即ち心の中に決意と計画を立てるものですが、この抱負という言葉、「抱」はともかく、なぜ「負」なのでしょうか。新年なのだから、縁起を担いで「抱勝」としたって良いじゃないか。しかしながらこの負の意味は「背負う」や「担う」だそうで、つまり抱負というのは抱えたり担いだりするほどに重い決意だということ。縁起を担いでいる余裕なんて無いのであります。 

 ところで、昨年末にドジャースへと移籍した大谷翔平選手が、高校一年の時に立てていた決意と計画をご存知でしょうか。それは「8球団からドラフト1位指名を受けること」でした。この目標達成のために、彼はマンダラチャートというものを作ります。これは、曼荼羅の構図のように中心に大目標を書き込み、その周りには大目標を達成するための8個の中目標を書き、さらにその外側に、中目標を達成するための小目標を8個書き込むというもの。ドラフト1位指名を受けるためには「からだ作り」「コントロール」「キレ」「球速」「変化球」「メンタル」「人間性」「運」が必要だ。では、からだ作りのためにはどうすればいいだろうか。そこで彼は「朝3杯夜7杯のご飯」とか「柔軟体操」といった小目標、具体的な行動指針を8個挙げていきます。球速を上げるためには体幹強化や下半身の強化、人間性を上げるには感謝や礼儀や継続性が必要だろう。そんな具合に、遠くに見える目標を分解して、日常的な実行項目に落とし込んだのです。中でも興味深いのが、運を上げるための行動指針。彼が決めた実行項目は「挨拶」「ゴミ拾い」「部屋そうじ」「道具を大切に使う」「審判さんへの態度」「プラス思考」「応援される人間になる」「本を読む」の8つ。運はトレーニングすれば上がるものではありませんから、これらが効果あるかは分からない。けれど彼は「ゴミを拾うことは人が捨てた幸運を拾うこと」と言って、今もゴミ拾いを続けています。心身を鍛え、運を引き寄せるための細かな実行項目を、彼はずっと積み重ねてきたのですね。だからこそ今のメジャーリーグでの活躍があるのでしょうし、さらにその先に「優勝」を見据えていることでしょう。
 弘法大師空海は、「遥かなるを渉るには邇きよりす」という言葉を残しています。大きな物事を成すには順序立てて、身近なことから始めなければならない。日常的な行動を整えていくことが大事だということです。お大師様のように、あるいは大谷選手のように、一日一日を丁寧に生きるためにも、今年は抱負を担ぐつもりで立ててみてはいかがでしょうか。

草野榮雅 拝

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 令和六年  行事ご案内 

 一月一日(月) 修 正 会(しゅしょう え )(護摩修行・祈祷)
                午前六時および午後二時頃、本堂にて修行
 一月十七日(水) 初観音大護摩供

 二月三日(土) 節分会 星まつり 午後二時より

 三月十七日(日) 春彼岸 大施餓鬼会

 四月八日(月) 釈迦降誕(ごうたん)会(え)(花まつり)
 四月二十九日(月・昭和の日) 慈音会法要・多宝塔供養会

 五月十七日(金) 観音護摩法要

 七月十七日(水) 盂蘭盆 大施餓鬼会
 七月二十八日(日) 百観音献灯会 夕方六時より

 九月十七日(火) 秋彼岸 大施餓鬼会

 十一月十七日(日) 境内石仏総供養大護摩供

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● 毎月十七日 読経と法話の会(月例法要)
毎月午後二時より、太鼓の音に合わせて観音経と般若心経をご一緒にお唱えいたします。
どなたでもご参加いただけます。
正月、五月、十一月は護摩法要、三月、七月、九月は施餓鬼法要を併せて修行いたします。

● 毎月第一日曜日ならびにその翌日の月曜日、午前九時より 写経の会
(小筆と納経料千円をご用意ください)
 ※一月は第一日曜日の七日と八日、二月は第二日曜日の十一日と十二日です。なお、八月はお休みです。

● 毎月一回、不定期で坐禅の会を行っています。詳細はお問合せください。

年回表
  一周忌  令和五年(2023年)寂      十七回忌  平成二十年(2008年)寂
  三回忌  令和四年(2022年)寂      二十三回忌 平成十四年(2002年)寂
  七回忌  平成三十年(2018年)寂   二十七回忌 平成十年(1998年)寂
  十三回忌 平成二十四年(2012年)寂  三十三回忌 平成四年(1992年)寂