ひとくち伝言 令和6年3月
眠りの質を高めるために、お布団の中でも行える瞑想をご紹介します。まず仰向けになって手のひらは上に向け、足は肩幅に開いてください。鼻からゆっくりと息を吐き出し、お腹まで息を吸い込んで、鼻を通る空気の感触を確かめつつ、自然に呼吸をしましょう。そして、足の先や腰、肩や手、首など、順番に少し動かしながら力を抜いていきます。身体が意外と強張っていることに気付くかも知れません。穏やかな呼吸を繰り返しているうちに段々とリラックスしていって、深い眠りに入りやすくなります。なかなか眠れない時には、一度試してみてください。ひとつ注意することは、寝る前にちゃんと、心地よい環境を整えること。
つい先日、この瞑想をしつつ寝ようとした時のことです。大きく息を吸い込んだ時にふと、ある事に気付きました。なんか、臭い。布団か?いや布団じゃない。部屋中を探しても匂いの元は見つからず、お香を焚いても消臭剤を振り撒いても匂いは消えません。散々苦労した挙げ句、犯人はお風呂上がりに着替えた肌着の部屋干し臭だということが判明しました。原因を身に着けていてはどんな対策も無駄というもの。『華嚴五教止觀』という論書の「鼻下に糞あれば香もまた臭し」という言葉が脳裏に浮かんできました。あまりにも強烈で、「そりゃぁそうだろう」と納得せざるを得ない言葉ですよね。
匂いに限らず、眼鏡が曇っていれば世の中も曇って見えますし、耳が塞がっていれば音はよく聞こえません。辛いものを食べれば味覚は狂います。情報の受け止め方はセンサー次第。そして、仏教では「心」もまたセンサーだと考えるのです。心に圧力がかかっていたり働きが弱っていると、あらゆることの感じ方が歪んできます。事実以上に辛く感じたり、悪意に過敏になったり……。逆に、心が落ち着いていれば、世界の受け止め方も穏やかになる。心と環境は繋がっています。『法句経』というお経には「心為法本(ものごとは心に基づき、心によって作り出される)」とありますが、「体が資本」という言葉に引っ掛けて言えば「心が資本」と言い換えても良いんじゃないかと思います。
あらゆる活動の根本には、自分の心があります。睡眠や瞑想は、心というセンサーの保守、メンテナンスのようなものかも知れません。あるいは資本への増資でしょうか。いずれにせよ、整える時間を大事にしたいものです。
草野榮雅 拝
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令和六年 行事ご案内
3月3日・4日 (日・月) 午前9時 写経の会
3月9日 (土) 午前9時 坐禅の会(要申込)
3月17日 (日) 午後2時 春彼岸大施餓鬼会
お塔婆のお申し込みは前もってお電話かFAX、Eメールにてお願いいたします。1基三千円です。
4月7日・8日 (日・月) 午前9時 写経の会
4月8日 (月) 花まつり(降誕会)
4月17日 (水) 午後2時 読経と法話の会(月例法要)
4月20日 (土)【暫定】 午前9時 坐禅の会(要申込)
4月29日 (月・祝日) 午後2時 慈音会総供養
5月5日・6日 (日・月) 午前9時 写経の会
5月17日 (金) 午後2時 読経と法話の会 並びに護摩祈祷
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◇ 今年の節分祭は土曜日ということもあって、盛況でございました。
来年は立春がずれますので節分が二月二日となり、日曜日の開催となります。
普段お仕事の方も是非ご参加くださいませ。
◇ 昼と夜の長さが等しい春分の前後の3日、合わせて1週間を、春彼岸と申します。
施しを心がけること、規律を守ること、怠けないこと、動じないこと、集中すること、本質を見ようとすること。
この6つの課題を、前後の6日間に1日1つずつ取り組んでいくのがお彼岸の過ごし方です。
お塔婆を立ててご供養となさる方は、事前にお申込みくださいませ。
一基三千円のご志納となります。
◇ 能登半島地震災害義援金として、募金箱の寄付金と花まつりコンサート寄付金、116,500円を、日本赤十字社を通じて寄付させていただきました。
この場を借りてご報告申しあげます。
◇ 坐禅の会のご参加は、事前にお申し込みをしていただいております。参加希望の方はメール、ライン、電話等でお知らせください。
LINE アカウント
百観音坐禅の会 @040haupf
◇ 百観音明治寺フェイスブックページ
https://www.facebook.com/meijidera/