ひとくち伝言 令和6年7月

 先日、仏教の瞑想をマインドフルネスとして世界に広めたベトナムの僧侶、ティクナット・ハン師の直弟子の方の講演を拝聴する機会がございました。
 とても楽しみにしておりましたので、会場の駒沢大学キャンパスには余裕を持って到着。早すぎたためか、人影はありません。会場は正門正面の1号館とのことですが、どうも見当たらない。私が入ったのは裏門だったのかな? とりあえず、近場のトイレを借りて一息付きました。さて、本格的に会場を探すのですが、一向に見つかりません。道順の看板くらい出してくれればいいのに。これは他の参加者も迷っているのではと辺りを見回しますが、それらしき人は見当たりません。というか、誰もいません。おかしい。もしかして、駒沢キャンパスではなく、近くの深沢キャンパスと勘違いしていたのかも。もう一度講演の詳細を確認すると、やはり駒沢キャンパスと書いて……、駒場キャンパス?……場?キャンパスどころか大学が違う。僧侶の講演なのだから当然、仏教系大学である「駒澤大学のキャンパス」だと早合点したようで、よく見れば「東京大学駒場キャンパス」。つまり、私は無断で無関係の大学に侵入し、誰もいない構内をウロウロしてトイレまで拝借したわけで、まるで不審者です。坊主頭で堂々としていたせいか、守衛さんはこの不審者にも「お疲れさまです」と挨拶してくださいましたよ。思い込みって恐ろしい。慌てて駒場キャンパスに移動すると、20分ほどの遅刻。ちょうど挨拶などが終わって本題に入るところのようです。私の耳に入ってきた最初のお言葉は「心を落ち着けましょう。時間に追われないように」。なんて身に染みるお説法でしょうか。
 一度、情報が刷り込まれてしまうと、いくら確認してもなかなか気付けないものですね。恐ろしいのは、多少の違和感があっても「まだ時間が早いからだな」とか「裏門だったのだろう」とか「大学側の配慮が足りない」などと、勝手な理由や理屈、文句までつけて自分を納得させようとしたこと。不安だからこそ、なのでしょうね。
 さて、幸いにしてこの思い込みはすぐに気付けましたが、多分、人生には他にも数えきれないほどの刷り込みや思い込みがあるのでしょう。尤(もつと)もらしい理屈や正当性もちゃんとある筈です。夢の中では、どんな不条理も納得できてしまうみたいに。そういえば、ブッダとは「目覚めた人」という意味なのでした。いろんな思い込みに気付くことが、悟るということなのかも知れませんね。

草野榮雅 拝

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行事ご案内 

 7月7日・8日 (日・月) 午前9時 写経の会

 7月10日頃~16日頃 お盆 お棚経期間

 7月17日 (水) 午後2時 盂蘭盆大施餓鬼会
   お塔婆は前もってお電話かFAX、Eメールでお申し込みください。一基三千円です。

 7月28日 (日) 午後6時 献灯会

 8月17日 (土) 午後2時 読経と法話の会(月例法要)

    ※7月の坐禅の会、8月の写経の会と坐禅の会は
     お休みとさせていただきます

 9月1日・2日 (日・月) 午前9時 写経の会

 9月17日 (火) 午後2時 秋彼岸大施餓鬼会

 9月14日 (土)【暫定】 午前9時 坐禅の会(要申込)

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◇7月13~15日の前後はお盆の期間ですので、ご自宅のお仏壇、位牌前にてご供養をいたします。
ご家族がお亡くなりになられてから初めてのお盆を新盆と言いますが、なるべく新盆は皆さんで集まってお過ごしになるのがよろしいかと存じます。
また、毎年のご供養も大きなご功徳となります。
もしご自宅でお集まりになるのが難しい場合は、明治寺本堂にお越しいただいてご供養を承ります。
日程を調整いたしますので、ご希望の方はどうぞご連絡くださいませ。

旧暦でのお盆である8月をご希望の方は、どうぞご相談ください。

◇今年も献灯会を賑やかに開催するべく準備を進めております。
ガムランの舞踊と影絵、野外映画、出店などを予定しております。
お供えいただいたお灯明と護摩の炎が 世の中を少しでも明るく照らすことを祈っております。



◇ 坐禅の会のご参加は、事前にお申し込みをしていただいております。参加希望の方はメール、ライン、電話等でお知らせください。
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◇ 百観音明治寺フェイスブックページ
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